公開資料から核融合の正味電力を再構成する
電力の計上範囲・設計版・時間基準の監査
Reconstructing Published Tokamak Net Electricity Claims from Public Evidence
An audit of electrical boundaries, design versions and time bases
上の日本語題は本サイトの紹介題です。引用には下記の原題を使用してください。
紹介に用いた原稿の表題ページ原文要旨 / Original abstract(英語)
研究の概要 / Overview
公開されたトカマク設計の正味電力を、報告された正味値を計算入力にせず再構成できるか検討します。電力の差し引き計算、熱の配分、運転状態とサイクル全体のエネルギー収支を区別し、設計間の比較条件を示します。
English overview · Site summary
This preprint examines whether published tokamak net-electricity claims can be reconstructed without using the reported net value as a calculation input. It distinguishes electrical subtraction, heat allocation, operating states, and cycle-level energy balances to clarify the conditions for comparison.
公表された正味電力の主張のうち、外部の読者が出典・設計版・運転状態・時間基準を変えずに再構成できるものはどれか。
分析方法
公開取得できる資料を目的に応じて選択し、9資料の18の設計主張を対象に、出典の位置と計算経路を記録します。既報の正味電力を欠損入力の生成に用いる計算と、独立した差し引き計算を区別し、仮想条件と歴史的比較例は別に扱います。
本稿の主張・計算結果
- 対象18主張のうち7主張について、報告された正味値を入力に使わない算術的な再構成が可能と整理しています。このうち4主張は同じST-E1論文内のものです。
- ST-E1 Case 1の再計算は277.944 MWeで、原資料の278 MWeと比較されます。STEPは149 MWe、ARCは一部の設備範囲で189.3 MWeとなります。これらは同一の設備境界での一律比較値ではありません。
- EU-DEMO HCPBとSTEPの会議原稿には、資料内の要素間で未解決の数値差が残ります。電力の算術的整合、熱配分の整合、周期的なエネルギー収支の成立を別の検証段階として扱います。
研究の射程と留保
- 炉の設計妥当性や発電の実現可能性を検証する研究ではありません。差し引き計算が一致しても、工学的成立を示しません。
- 目的に応じて選んだ資料集合です。核融合設計全体の開示率や、抽出チェックリストの有効性を推定することはできません。
- 公開資料に情報が見当たらないことは、設計チームがその情報を持っていないという証拠ではありません。運転中の電力とサイクル平均電力も区別する必要があります。
引用情報
Yamazaki, Norio. (2026-09-29). Reconstructing Published Tokamak Net Electricity Claims from Public Evidence An audit of electrical boundaries, design versions and time bases. Preprint v3.6. 査読前プレプリント. https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=7539019
原稿日付はPDFの表題ページの記載です。リポジトリへの初回掲載日とは区別してください。紹介内容の確認日:2026.10.09。
